親知らず(智歯)の痛みは、色々な要因で起こります。以下にあげた原因がよくあります。
上記の原因にもよりますが、初めのうちは鈍い痛みがありますが、特別治療しなくても1~2週間で治ってしまう事が多いです。繰り返し痛み出すと、回を重ねるごとに感染、炎症が強くなります。
歯並びに沿って真っ直ぐに生えている場合、また逆に完全に骨の中に埋まっている場合は抜く必要はありません。
しかし、大抵の人はこれ以外の状態ですので、今すぐではなくても、いつかは抜くことになるケースが多いと思います。感染と機能障害があるようなら抜歯をおすすめします。
つまり、歯ブラシの届かないところまで汚れてしまっていたり、噛めないなどの症状がある時です。ただ、後述するリスクやスケジュールなども合わせて考えなければなりません。
抜歯の相談/説明
お口を拝見し、レントゲン撮影を行います。
抜歯当日
表面麻酔の後、浸潤麻酔を行います。ご希望・必要に応じて、笑気吸入鎮静法を併用します。抜歯し、必要に応じて縫合することもあります。止血を確認したら終わりです。処方箋が出ます。所要時間は簡単なもので30分、難しいもので1時間30分みておいて下さい。
抜歯後のメンテナンス
必要に応じて、翌日に消毒にいらして下さい。縫合した場合、一週間から10日で抜糸致します。(所用時間5分程度)
上顎の智歯の抜歯の場合、ほとんどのケースで術後の腫れはありません。あったとしてもお口の中だけで、外からお顔を見て、腫れているのが分かる程度まで腫れるのは稀です。下顎の場合は、ケースによっては腫れる場合があります。
智歯の位置、骨や炎症の状態で変わってきますので、術前に充分説明をいたします。長い場合10日程腫れることもありますので、抜歯後のスケジュールに余裕をもたせて頂くようお願いします。
下顎の智歯の抜歯で一番心配なのが、下歯槽神経麻痺です。下顎の骨の中を通っている神経と智歯とが近接している場合、その神経を麻痺させてしまう危険性があります。
様々な論文で、X線写真上で二次元的に神経と智歯とが重なってみえる場合の約0.5~5%で一時的な麻痺が起きると報告されています。さらに、その中から約1%、全体の0.05%前後が慢性的な麻痺となる可能性があるとされています。
よって、下歯槽神経麻痺が麻痺する可能性は、極めて低いのですが、ゼロではありません。智歯を抜歯するには、そういった危険性もありますので、抜くメリット・デメリット、抜かずに残しておくメリット・デメリットを良く相談しましょう。